ロッカスカレーニャ

  壮大なパノラマに突き出す暗い歴史を秘めた中世の城

ロッカスカレーニャの城はリオ・セッコ(水のない川の意)の谷を見下ろすように高さ100m以上の岩塊の上にそそり立つ荘厳な姿が印象的です。防衛上重要な位置にあると見たランゴバルド人たちが居住地とした後、11-12世紀ノルマン朝・ホーエンシュタウフェン朝の時代に城として強化され、銃器が出現すると塔は丸く改修されました。

1940年に円形の塔が崩壊しましたが領地を見渡すもっとも古い見張り塔の周りに高さの異なるいくつもの塔が寄り添い独特の光景を醸し出しています。

この神秘的な光景に暗い影を添えるのが"jus primae noctis"(君主の権利)として知られる伝説です。1646年コルヴォ・デ・コルヴィス男爵によって、花嫁は結婚初夜をこの城で城主である男爵と共にしなければならないと布告されました。最後は花嫁に変装して潜り込んだ嫉妬深い新郎が男爵を刺したと言われ、谷を見下ろすアーチには寝室から這い逃れた男爵が血まみれの拳を突いたとされる場所が残されています。

 

急な坂を登り続け城内に入ると昔衛兵たちが野営した幅広い通路が延び武器庫の入り口に至ります。

 

 

その先の丸い塔の内部は中世の要塞の常識に従い壁に沿って右手に階段が作られています。

 

 

右手に刀、左手に盾を持ち戦っていた時代、階下から攻める敵の右手の自由を壁で奪い、階上から防御する味方兵士達がアドバンテージを得る戦略のひとつだったと言います。


 

城主の私有だった教会も要塞の一部として常に敵を警戒し、礼拝の間も祭壇に背を向け祈っていたと言います。教皇パウルス4世の時代にプロテスタントと戦い宗教裁判が行われていたという教会内部は現在拷問器具の博物館のように設えられています。


レストラン・B&B

ローマの5つ星ホテルでキャリアを積んだヴァレンティーナは故郷アブルッツォに帰り、ロッカスカレーニャ城の麓でレストランを始めました。ご主人のニコラと一緒にフードマイレージやスローフードにこだわった料理を提供しながら州内の観光案内やB&Bなどエネルギッシュに取り組んでいます。

外のテーブルからはロッカスカレーニャ城が目の前に迫り、店内では時期により地元アーティスト達の作品が展示され郷土料理に花を添えます。

併設のB &Bは広々したベッドルームやバスタブ付きのバスルームに加え、暖炉のあるリビングやキッチンも備わり小さなバルコニーからはもちろんロッカスカレーニャ城が見えます。

世界屈指の観光地で様々な好みに応える最高級のサービスを知り尽くしたヴァレンティーナが自信を持ってオススメするアブルッツォの美食と見どころを堪能しに来ませんか?

周辺のまち巡り

トルナレッチョ モザイク画とハチミツのまち

 

トルナレッチョを特徴づけるふたつのM、モザイク画 (Mosaico)とハチミツ (Miele) はどちらも町おこしの策でした。

オリーブオイルやワインで経済を潤すには高度が高すぎるトルナレッチョでは他の山間の村のようにサラミやハムを作る以外に養蜂家が多くイタリア国内ではシチリアに次ぐシェアを誇ります。

 

一方モザイク画はミラノの画廊経営者が故郷に戻って始めた試みです。

毎夏絵画のコンクールを開催し、優勝作品はモザイク画に仕上げられ旧市街の壁に飾られるのです。

おかげで小さな集落は街並みが丸ごと画廊のよう。

夜はオレンジ色のライトに照らされ違った趣を醸し出します。


ボレッロ アペニン山脈で最長の滝とトリュフ

 

マイエッラ山岳地帯にはロッカスカレーニャのようにそれぞれ特徴を持つ小さな集落が点在します。

ロッカスカレーニャから35kmほどのボレッロには犬と一緒にトリュフを探す名人たちがおり、リオ・ヴェルデ自然保護区の二つに分かれた滝は合計214メートルとアペニンで最長、自然のままの状態の滝としてはイタリア国内でも一番の長さを誇ります。

 

自然保護区の入り口から滝まではなだらかな坂が続き、夏はそこかしこに高山植物が咲き乱れます。